問題解決能力を磨こう!『子供に「プログラミングをやりたい!」と言われたら読む本』第2巻を出版しました

こんにちは、team-aries の Eri です。今年も残すところあと半月となりましたね。そろそろ大掃除に取りかからなくてはと思っているのですが、時間ができるとつい猫たちと遊ぶ時間を優先してしまってなかなか進まない今日この頃です。

さて本日は、前回に引き続き「プログラミング教育」の話題です。いよいよ2020年度から小学校でもプログラミング教育が必修化されます。これを受けて team-aries では『子供に「プログラミングをやりたい!」と言われたら読む本』というシリーズを出版しております。

今回はその2冊目となる書籍『子供に「プログラミングをやりたい!」と言われたら読む本 2「問題解決能力を磨く考え方」』をご紹介させていただきます。この本は、シリーズの後編にあたります。

本書は、これからプログラミング教育を受けることになる子供達を見守る立場にある大人の皆さんに読んでいただきたい本です。プログラミング教育の本というと、実際にプログラミングのやり方について説明したものも多いのですが、本書はコンピューターやプログラミングの知識がなくてもわかる内容が中心になっています。

「プログラミング教育ってなにするの?」という疑問をお持ちの方は、前回のブログ記事も合わせてお読みください。

シリーズ1冊目は「学校で習うこと」を中心に、学習習慣・学習内容とプログラミングとの関係について説明してきました。

2冊目の本書では、学校の枠を超えて「問題解決能力」とプログラミングとの関係に注目した内容になっています。問題解決能力は、お子さんがどのような進路に進みどんな職業に就いたとしても変わらずに求められることになる力です。このような大人になってからも役に立つ力を、プログラミングの学習を通して身に付けるにはどうしたら良いか、というのが本書のテーマです。

問題解決が大切なのはわかるけど・・・

問題解決は、どんな職業に就いたとしても日々の仕事で必要になるスキルでしょう。子供たちを見守る立場にある方(保護者の方や学校の先生方)の中には、将来のために子供のうちから問題解決能力を身につけさせてあげたいと感じている人も多いのではないかと思います。でも、実際に何をどのように教えたら良いのかとなると、なかなか難しいところがあるのではないでしょうか。

「問題解決能力は重要だ」というのは実際にあちこちで言われているよく聞く話ですし、関連する書籍もいろいろ出ています。ただ、こういった書籍はビジネスシーンに注目していることが多いので、だいたいは次のような話が中心になっています。

  • 素早く問題を解決するにはどうしたら良いか。
  • 問題の種類ごとに適切な解決手順はどんなものか。
  • ある業種でよくある問題にどうやって対応するか。
  • 組織としてどのように問題解決に取り組んでいくべきか。

これらは全て、仕事上の問題を解決するための「How to」ですね。こういったことを子供の時から教えても、使いこなすのは難しいでしょう。

子供の問題解決能力を磨くなら、「そもそも問題解決とはどういうものなのか」ということから始めるほうがオススメです。これは「How to(やり方)」を学ぶよりも「What is(そのものの正体)」を学ぼうということです。問題解決そのものの正体について知ることが、将来どのような職業に就いたとしても日々の仕事の中で問題を解決していける応用力につながっていくはずです。

では、そういうことがビジネス向けの書籍には全く書かれていないかというと、そういう訳ではありません。本気で問題解決そのものの「What is」について解説している書籍は、ちゃんとあります。あるにはあるのですが、だいたいはビジネスシーンに注目しているので、どうしても堅苦しい内容になってしまいます。

そういうわけで、子供の問題解決能力を伸ばしてあげたいと思っても、そのために使える情報を仕入れるというのは、なかなか大変だと思います。

問題解決能力は既にある!

問題解決の書籍がビジネスシーンを前提にしているのは、そういうニーズが多いからなので仕方がありません。ですが、問題解決そのものは決して仕事のためだけのスキルではありません。

もちろん仕事の時には問題解決は重要です。でも普段の生活の中にも問題解決が必要な場面はたくさんあって、誰もが実際に日々の問題を解決しています。例えば「冷蔵庫にまだあると思っていた卵が1個もなかった」とか「急に1時間あいてしまってどうやって過ごそう」などという時は、どうしたら良いか考えて行動しますよね。これも立派な問題解決です。誰もが行なっているということについては、大人も子供も関係がありません。子供でも子供なりに日々さまざまな問題に直面しては、自分の頭で考えて解決しているはずです。

このように、問題解決というのは生活の中で自然にやっていることですから、ビジネスのために身につけるべきスキルというよりは、人間としての基本的なスキルです。つまり、問題解決能力は誰もが最初から持っている「標準装備」です。ただ、最初から既にある能力であるために、その正体が何なのかというのが捉えにくいということなんです。

ですから、問題解決能力を磨いていくためには、既に能力が備わっているのだと気づくことと、その能力の正体や仕組みを理解することがまず大切です。大人になってから仕事で問題解決をできるようになるということは、子供の頃から備えている能力の応用に過ぎません。そのことをわかっていれば、将来の仕事で複雑な問題に出会った時も、書籍で「How to」を勉強すれば上手に乗り越えていけますね。

プログラミング教育と問題解決はどう関係があるの?

では、プログラミング教育と問題解決の間にはどのような関係があるのでしょうか?

「プログラミング教育」などと言われると、パソコンがズラッと並んだ教室で、みんなでプログラミングをやる実習の授業のようなものを想像してしまいます。ですが本当のところは、プログラミング教育が始まっても、小学校からプログラミングそのものを習う訳ではありません。それよりもむしろ、問題解決能力などの将来どんな進路に進んだとしても役に立つ力を培うことが重要視されています

「えっ、それじゃあ何でプログラミング教育っていうの?」と思いますよね。

プログラミング教育がはじまると、授業でもコンピューターを積極的に活用するようになります。コンピューターは、問題解決などを行うときのツールとしても便利です。インターネットでの情報収集や、表計算ソフトを使った集計や分析は、とくによく使われる活用法になるでしょう。

また、プログラミング教育では、プログラムを作るときのような頭の使い方を学びます。これには「プログラミング的思考」という名前がついています。プログラミング的思考は、問題解決と非常に関係が深い考え方です。

こうなってくると、早いうちにプログラミングに興味を持つ子は今まで以上に増えるはずですね。でも授業でプログラミングそのものは基本的には取り上げないので、プログラミングの学習をしたいと思ったら、自主学習か、サークル活動などで取り組むか、パソコン教室や通信教育などを活用することになると思います。

この本の内容

プログラミングは、何か解決したいことがあるときに行う活動です。ですから、実はプログラミングというのは問題解決そのものなんです。もしお子さんがプログラミングの勉強を始めることになったのなら、それは問題解決能力を磨くチャンスだと言えるでしょう。

ですが、プログラミングの技術ばかりを学んでいても問題解決能力は身につきません。自主学習なら保護者や家族の方が、サークル活動なら顧問の先生がという風に、近くにいる大人がどのようなサポートをするかによって学習の質は大きく変わってきます。プログラミングそのものを学ぶだけでなく、プログラミングを通して学べることにも意識を向けてあげることが大切です。

本書のテーマは「プログラミングの学習を通して将来役に立つ力を獲得するために、どんな考え方があるか」ということです。問題解決能力は、プログラミングの学習を通して磨いていくことができる能力のひとつです。

本書では、まず問題解決能力という力の正体に切り込んでいきます。それから、プログラミングにまつわるどんな場面でどんな考え方をすれば力を発揮できるようになるのかについて、具体的な例を挙げながらわかりやすく説明していきます。と言っても、問題解決はプログラミングのためだけのスキルではありません(仕事のためだけのスキルではないのと同じです)。ですから、本書ではプログラミングとは直接関係のない日常的な例も挙げながら説明するようにしています。

問題解決というちょっと「まじめ」な話題を取り上げていますので、本書に出てくる内容は所々難しい部分もあるかもしれません。できる限りやさしく、コンピューターやプログラミングの知識がなくてもわかるように書いたつもりです。あまり難しく考えずに読んでいただければ幸いです。既に問題解決能力があることをお子さんに気づかせてあげるために、またプログラミングを通して問題解決能力を磨いていくために、ぜひ本書をお役立てください。ご購入は Amazon から(Kindle Unlimited 会員の方は無料で読めます)。

子供に「プログラミングをやりたい!」と言われたら読む本 2
問題解決能力を磨く考え方

本書の目次:
■はじめに
・シリーズ構成
・対象読者
■時代を超えて求められる力とは
・問題解決能力とは
・創造性とは
・行動力とは
・資質と考え方
・ここまでのまとめ
■プログラミングと行動力
・行動を開始するために
 - 具体的にイメージする
 - コンピューターの気持ちになって考える
・最後までやり遂げるために
 - 意味のある試行錯誤をする
 - 粘り強く工夫する
 - 集中できる手順を見つける
・チームの一員として行動するために
 - 考えを正確に表現する
 - チームメイトと決めたルールを尊重する
・ここまでのまとめ
■プログラミングと創造性
・アイディアを増やすために
 - 興味を持ったことを学んでおく
 - 他にも方法がないか想像する
 - ほかの人の視点を借りる
 - リアルな筆記用具も使う
・アイディアの質を高めるために
 - 制約を設ける
 - 先人の経験から学ぶ
 - センスがある人のやり方を真似る
・状況をコントロールするために
 - いちど忘れる
 - 自分の意思で選択する
・ここまでのまとめ
■プログラミングと問題解決能力
・問題を認識するために
 - 理想を思い描いてみる
 - 落とし所を見つける
 - 段階を踏む
・成功確率を上げるために
 - 計画を立てる
 - できると信じる
・新たな問題に対応するために
 - 計画を変更する
 - 間違いを積極的に見つける
・さらに問題解決能力を磨くために
 - ポジティブに反省する
・ここまでのまとめ
■あとがき

プログラミング教育に備えて、ぜひ本書をお役立てください!
ご購入は Amazon から。Kindle Unlimited 会員の方は無料で読めます。